10月も末になってきて、そろそろ乾燥の季節が間近までやってきています。
毎年、多くのご依頼をいただいている加湿器のレンタルですが、その中に、クリニックや総合病院、その他医療施設からのご要望が、年々多くなっています。コロナの影響でしょうか。
さて、病院で加湿器をご利用いただく際、一つ、重要な「コツ」があります。
湿度はよく上がり、よく下がる
湿度はそのメカニズムから、容易に上げることができますが、同時に、容易に下がります。
その原因となるのが冬の空気の冷たさです。
梅雨の時期をイメージしていただくと分かりやすいのですが、梅雨のジメジメした時期、室内に低温に設定したクーラーをかけると、すぐに快適になります。これは、冷気によって室内の湿度を下げるためです。クーラーで室内の気温が下がるというのもありますが、それと同じくらい、湿度の低下が快適さに貢献しています。
この反対をイメージしてください。
病院内のお部屋の湿度を加湿器を使って高く維持している中で、冷気が入ってくると、湿度は「すぐ」に下がってしまいます。どのくらい「すぐ」かと言えば、ものの5分ほど「すぐ」にです。
そして、入ってくる冷気が止まって「しばらく」すると、また湿度は上がってきます。この場合の「しばらく」とは、お部屋の広さにもよりますが、おおむね10分またはそれ以上の時間です。下がる時ほど早くありませんが、決して遅くはありません。
冷気の遮断が大切です
つまり、湿度を上げて維持するためには、冷気がそれを阻害してしまいますので、極力、冷気が入ってこない、入ってきてもすぐに止めることができる環境である必要があります。
たとえば、待合室や診察室であれば、ずっとドアを開けっぱなしにしておくと、湿度はいつまで経っても上がりませんので、患者さんの出入りの後は締めておいたほうがよく、また、病院の玄関(の内側)に加湿器を設置しても、常に冷気にさらされますので、あまり効果的ではありません。
換気と冷気の遮断を効率よく
コロナのことがあり、ドアや窓を「閉める」という行為は、換気の観点から少し気が弾けてしまいますが、換気をうまくやりつつ、湿度も保つという両立を図っていただければと思います。