こないだ、オフィスの窓から外を眺めていたわけですよ。
街路樹がきれいでね。
でね、ふと真下を見ると、宅配便のドライバーさんが、うんしょうんしょと何か大きなダンボールをトラックからおろしています。
「寒いのに大変だねー」と「広背筋はこっちのほうが上かな」とか、勝手な気遣いと張り合いが同居していたような感情だったのもつかの間、
そのダンボールには、空気清浄機の名前が書いているではありませんか。しかも番犬的なやつです。ドライバーさんは、うちが入るビルに入ってきました。そうですとも、いつものドライバーさんですから、顔を知っていますから、うちのビルに入ってくることは分かっているのです。
箱の綺麗さから想像するに、きっとあいつ(空気清浄機)は新品です。立派な値段だったのではないかと勘繰ります。
どの階のオフィスだろうか。2階でないのは間違いない。だってうちが2階だからドライバーさんが上がってきたら分かるし。じゃあ3階か、4階か、5階や6階だろうか。7階、、、はない、たしか数年前どこかのオフィスが退去してからどこも入っていないから。
どこかの階にいるオフィスに、私はとても大きな声で叫んだ。もちろん心の中だけで。
ありますよ、と。とってもピカピカで優れた能力を持つ空気清浄機が、あなたがいるビルの2階にありますよ、と。
灯台はね、手元は照らせないんですよ。むしろ結構暗いんですよ。そもそも懐中電灯じゃないですがね。
見つけてくれたら、行ったのに。
安くして欲しそうなオーラを出してくれたら、安くするのは難しいけど、フィルターの交換時期を早めたりして、実質的に安価にしたのに。
買ったら高いでしょうに。それに一年の半分以上は使わないのに、どこに置いとくんっちゅう話でしょうに。
今からでも遅くはない、その番犬的なものは返品してうちのを使おう。
費用もそれを買うことより10分の1は言い過ぎだけど、5分の1くらいにはなるがよ。高知弁が出たよ。
徒歩40秒くらい。エレベーターに乗るだけ。
同僚に背中を押してもらって、さあ、どうぞ。