乾燥が気になる季節になると、部屋の湿度を上げるために加湿器を使いたくなりますよね。しかし、電気を使わずに自然に湿度を上げる「自然気化式加湿器」や濡れタオルを使う方法もよく耳にします。
これらの方法には確かに手軽さがありますが、本当に部屋の湿度を十分に上げることができるのでしょうか?
電気を使わない加湿器の仕組みとは?
電気を使わない自然気化式加湿器は、吸水性の高い素材を使って水を吸収し、空気中に少しずつ水分を蒸発させていく仕組みです。このような加湿器には、吸水紙や布、セラミックなどの素材を使った製品が多くあります。電源が不要なので、コンセントが少ない場所や省エネを考えている方には魅力的に映るかもしれません。
ただし、これらの加湿方法は、実は「濡れタオルを干しておくこと」と本質的に大きな違いがないといえます。水が自然に蒸発することで湿度が少しずつ上がるという仕組みは同じで、加湿力には限界があるのです。
4畳半の部屋でも湿度を上げるのは難しい?
小さな部屋なら、自然気化式の加湿でも効果がありそうに感じますが、実際には4畳半程度の部屋であっても湿度を大きく上げるのは難しいことが多いです。その理由は以下の通りです:
1,蒸発の速度が遅い
自然気化式の加湿器や濡れタオルは、ゆっくりとしたスピードでしか水分を空気中に放出できません。そのため、乾燥した空気に対しても加湿効果が弱く、体感できるレベルにまで湿度が上がりにくいのです。
2,空気中の湿度が一定以上になると気化が進みにくい
自然蒸発では、周囲の湿度がある程度高くなると、それ以上は蒸発しづらくなるため、湿度の上昇に限界が生じます。
3,暖房などで空気が乾燥しすぎている場合には不十分
特に冬場は、暖房の使用により室内の空気がさらに乾燥します。自然気化式の加湿ではその乾燥に追いつけず、結局、湿度の調整が難しい場面が出てきてしまいます。
効率的に湿度を上げるには電気式の加湿器が効果的
電気を使った加湿器は、例えば超音波で水を細かい粒子にして空気中に拡散させたり、加熱式で水を蒸気にして送り出したりと、効率的に湿度を上げる仕組みが備わっています。このため、4畳半ほどの部屋でも確実に加湿が期待できます。
さらに、電気式の加湿器には湿度センサーが搭載されているものも多く、設定湿度に合わせて自動で調整してくれるので、乾燥が気になる季節に安心して使えます。特に乾燥肌が気になる方や、インフルエンザ予防のために湿度を保ちたい方には、電気式の加湿器が効果的でしょう。